ふう…すったもんだのあげく(表現古い)やっと書けました。
もうもし待っていた方がいれば本当に申し訳ないです。
今回は初めての試みも入れてみたり。
ではどうぞー
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「ん…ここは…」
「そうか…僕はあの時…生き延びることができたのか」
「君は…、君が助けてくれたとは。何と言うか、面白い。…いやいや、決してからかっているわけじゃないのだよ。気を悪くしないでほしい。何よりありがとうと言いたいよ」
「…つ。体が痛いね。まぁ、痛いという事はつまり、今ここは夢の世界じゃないということだね。ほっぺをつねる手間が省けてよかったよ」
「そうだ、何より先に聞かなくてはいけないことがあった」
「…みんなは、大丈夫なのかな?」
ラピス、キィ、エル、紅玉の4人は帰還書の効力によってペリオンへ到着した。
物と物が行き交い、人と人が出会い、別れる街、ペリオン。山々に囲まれているこの街は大規模で、運動場や闘技場があり、そして何よりそこを象徴するものとして「市場」がある。
この大陸で一番初めに出来た街と言われており、ゆえに昔から物や人が集まるようになったという。その流れが今まで続いているのは驚きである。
「うわぁ…たっくさん人がいますね!」
着いて早々、ラピスが感嘆の声を上げる。ラピス一行が立っている場所は市場を一望できる場所なので、嫌でもその人の多さは目に入る。
「そうですね…ここペリオンの市場はビクトリアアイランドでも一番ですよ」
「へぇ…一番の市場、かぁ…。今の何か引っかかりますけど。…キィさん早速行きません?」
「…そういうつもりで言ったのではないのですが…。見に行く前に宿の手配をしましょう。露店を回るなら荷物は置いておきたいですしね」
ラピス達一行はしばらく歩いた後、「陸(おか)のやどかり」という旅館を見つけ、ラピスとエル、キィと紅玉の部屋の二つを取る。そしてそこにしばらく泊まることにした。ペリオンは毎日のようにたくさんの人が訪れるので、もしかしたらラピスの家族を…そうでなくても何かを知っている人がいるかもしれない。居る時間が長いほどその可能性は高くなる。
それぞれの荷物を置き、「陸のやどかり」前に集合した4人。
ラピスは皆の所に集合しているとはいえもう心ここにあらず。目が市場の入り口を探している。
キィは口に手を当て少し何かを考えている。
エルは愛用の弓の弦をぴんぴんと弾いている。
紅玉はまだ眠そうに大あくびをしている。キィがそれをふと見て自身もあくびが出そうになったところをこらえる。
それをごまかすようにキィが4人の中で最初に口を開いた。
「とりあえず今日はペリオンに着いたばかりですし、ラピスさんの家族の情報を集めながら観光でもしましょうか。ここの場所に慣れる意味でも必要かと」
「さんせーです。というかもう行きましょうよキィさん!」
いいですよ、なんて言葉をかけたらラピスは今すぐにでも駆け出していきそうだ。
「まぁペリオンの露店めぐりは楽しいしね。ラビ、行ってみようか」
エルがラピスの手をとろうとする。
この二人をそのまま野放しにしたら目的を忘れて日が暮れるまで市場をうろうろしていそうだ。という不安に駆られたキィは、
「じゃあ…とりあえず市場から回りましょうか。一番人が多く集まる場所ですしね。僕も行きます」
と言うしかなかった。
「じゃあおれも、だな。まァ買っておきたいものもあるからちょうどいい」
紅玉はキィを無事にエリニアまで送らないといけないので、キィと同じ行動をとる必要がある。
旅館から市場まではそう遠くなかった。歩いて10分もかからない場所だ。
しかし…あまりにも人が多い。客を呼び込む店主、まからないの?としつこく値切る客、仲間とはぐれてしまったのか大声で叫んでいる冒険者と思わしき人。人々を一人ずつじっくり観察していると時間がいくらあっても足りなさそうだ。
一行は少しずつ市場の中に入っていく。ラピスは片手をキィに、もう片手をエルに取られている為、走り出すことが出来ないでいた。
「もし…ですが、はぐれて見つからない場合、そうですね…宿に戻るということにしましょう」
キィのその提案に他の3人は同意するそぶりを見せる。
そしてその瞬間。
「今から書の安売りするよー!!なんと1メルの書も置いてるよっ見ていきなよー!!」
というどこからかの大声。前のほうからだっただろうか…とキィがそう考えた時、人の波がその声のした方向に押し寄せていく。
4人はすさまじいほどのその流れにもう身を任せるしかなかった。
「…あいたたた」
人の波に飲まれ、弾かれたラピスは尻餅をついていた。
立とうとした所を紅玉が支えて起こすのを手伝う。
「しかし…すごい人の波だったな。桃のマジッククロー並だったんじゃないか…。いやそれよりは下か。嬢ちゃん、怪我はなさそうか?」
「はい、あたしはちょっとおしりが痛いくらいで…。キィさんとエルねーさんはだいじょぶですか?」
と、左右を見るが、ラピスの両手はどちらも自由だった。
「あれ?キィさんとエルねーさんは?」
「いたた…これは参りましたね。ペリオンの市場ではこれに気をつけないといけないのを忘れていました」
ずれた眼鏡を直しつつ、尻の部分をはたきながら立ち上がるキィ。
「お、いた。キィ、お前大丈夫か?」
エルは人の波に飲まれる直前、さっと身をかわしたらしい。その身には全く砂ぼこりなどはついていなかった。
「ええ…、僕は少しおしり辺りが痛いぐらいで…。エルさんは大丈夫のようですね。ラピスさんは大丈夫ですか?」
と、先ほどまでラピスの左手の自由を奪っていた右手方向を見るが、キィの右手は自由である。
気付けば紅玉もいない。
「あれ?ラピスさんと紅玉さんは?」
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今回はここで終わり…じゃないんです実は。
ここから物語はすこーしだけ二手に分かれます。
だから時間かかったんです。
ラピス・紅玉サイドと
キィ・エルサイドです。読みたい方をクリックして…というか↓にありますけどね。苦笑
今回の感想は…もしいただけるならここか、好きなほうのサイドに書き込みしてやってください。
初めての試み、どう出るかなー失敗かなぁ
では続きも読んであげてくださいね。