ども、バスで寝ていて起きたあとに寝ぼけて前に座ってる人の肩をもみそうになった猫石ですこんにちは。バスで寝るのも危険だね!
さてさて
あこがれ様の配布なさっている
「メイプルアイテムで15のお題」、僕もチャレンジしているのですが、ひとつ出来上がったので載せることにします。
久しぶりすぎとか言わない!
今回チャレンジするお題は…
No.5 「営業許可証」
です!
最近読み物ばかりですいませんすいません。
日記は次回書きますね…
ではどうぞー
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ここはペリオン。その大きい街並み、中でも市場の規模はこの大陸のどこよりも素晴らしいものである。
その市場で今日も少年はせっせと商売をし、生計を立てていた。
とはいっても本格的な冒険者でもない少年が狩れるようなモンスターはたかが知れているので、並べることができるのは「ピグのリボン」や「オクトパスの足」など、もしくはそれらの敵がたまに落とす装備品、鉱物・宝石の類であった。
一日露店を出していたらそこそこに売れるので少年が一人生きていくには十分だ。
この露店を出すにいたって借金をしたので、それをまず返さないといけない。贅沢をしなければ営業許可証の期限が切れる前には返せる。
「今日もまたいつもと変わらないの売ってるわねー。ま、それなりに売れはしてるみたいだけど」
とある少女がその少年の露店までわざわざちょっかいを出しにきた。ここ数ヶ月前に知り合った少女で、毎日何かと少年に構ってくる。
「んーうるさいなー。別に関係ないだろ。お前毎日来るけど暇なの?」
その口調とは裏腹に、少年は今日も少女がまた来てくれることを望んでいて、いつもの声が聞けてほっとしていた。ペリオンで独りだった少年に、同じくらいの世代の知り合い―少年はもう友人だと思っているが―はこの少女一人であったからだ。露店をきょろきょろしながら見て回っている少女に気まぐれで声をかけたのが知り合うきっかけであった。それ以来、この少女は何を思ったか毎日決まってこの時間には来るようになる。
「えー、だってあんた一人で狩りしてるか露店でボーっと座ってるか、どっちかじゃない?友達いないみたいだからこのアタシがわざわざ来てやってるのよ?」
少年には話していないが、少女もまた友人と呼べるような者がいなかった。少女の親は大富豪で、しつけが厳しく、ついこの間までは家の敷地外に出ることさえ叶わなかった。親の知り合いが家に来たりはするのだが、割れ物を扱うような態度に出られるため、その子供達とも距離があった。
とある日、どうしてもと少女は親に頼み込み、ペリオンの町の中だけならという条件で毎日1時間ほどの外出許可を得られた。そのほぼ全てを少年との会話に費やしていた。少年の話は外に出たことがない少女にとってとても魅力的であった。いや、もう少年の話だから聞きたいのだろうか。
「別に友達なんかいらねーよ。ほら、店の真ん前に立ってると邪魔だからちょっと横にどいててくれよ」
「ばっかねー。こんな美少女が店の前にいたら客がたくさん集まってくるのよ?何て言ったかしら…そう!『かしまし娘』!!」
「バカ、そりゃ『看板娘』だろ…あ、いらっしゃいませー」
「バカとは何よバカとは…」
こんな調子で今日も過ぎていく。
少年は少女がいつも1時間ほどしたら帰ることを知っているので、今日もそろそろかな…と思い始めた。かねてから抱いていたちょっとした疑問をぶつけてみる。
「お前さー、いっつも来るのはいいんだけど何か買っていかないわけ?」
「えー…っと…ああ、お金なくって」
嘘である。少女の親は少女に必要なら何でも買って与えてはいたが、少女に『お金』自体を持たせることはなかった。必要なものは親自身が判断する、ということだろう。
「ふーん…そうか」
少年は知っていた。少女がペリオンいちの金持ちの娘だということを。
周りの露店の店主などから「お前のところに来るあの娘さん、親がペリオン一のすごい金持ちだから扱いには気をつけたほうがいいぜ」などと聞かされていた。別に金持ちなどに興味はなかったが、自由がなさそうなのはとても気の毒だと思っていた。聞いた話では家でいつも一人らしい。
「あ…そろそろお父さんに怒られちゃうからまたねー!」
「ああ、またな」
走り去る少女の背中をずっと見ていた。
翌日。やはりいつもの時間にいつものように少女はやってきた。
そこでいつもとは違うことを少年は話す。
「…なあお前、お金ほしくないか?」
「え…?んー…よくわからない」
「そうか…。俺はちょっと疲れていて少し仮眠を取りたいんだが…売り子やってくれないか?露店は放置しててもいいんだが、売り子はいたほうがいい」
「売り子?」
「ああ、30分ぐらいでいいから店番してくれ」
「…わかった。やってみる!」
「お、やけに素直じゃねぇか。頼むぜ、かしまし娘さん」
「うっさいわねー。早く寝れば?」
「おお…じゃあ横で少しの間寝ておくわ。何かあったら起こしてくれ」
そうやって座りながら寝た少年の寝顔を少女は客の相手をする時以外はずっと見ていた。
それにしても店の売り子は疲れる。こういうことを半日しているであろうこの隣で寝ている少年はすごいな、と思う。
30分ほど経った。
「ん…ふわー。やっぱり少しでも寝ると違うわ」
少年が目を覚ました。
「あ、起きた?寝るなんて珍しいわね。よっぽど疲れてたの?」
「ああ…昨日ちょっと長く狩っていたからな…。で、何か売れたか?」
「うん、たくさん売れたわ。はいこれ、売り上げ」
「おーありがとー…ってお前!何か少なくねぇか?もしかして最初の価格から値引いて売った?」
「うん、だってお客さんが『もっと安くしてよ』って言うから…。…いけなかった?」
少し間が空く…
「いや!今日これ全部さばけてよかったぜ!!いらなくて荷物になってけど、安く売るのも決断しにくくてなー。お前のおかげで全部売れてよかったよかった」
正直なところ、今日並べた商品の売り上げは見込んでいたよりかなりダウンしていてがっかりだが、ずっと一生懸命売り子をしていたであろう少女の目を見るとそう言うしかなかった。
「じゃあこれ…少ないけど店番代な。とっとけ」
少年は10000メル硬貨を少女に差し出す。
「いらないわよ。というかこのお金であんたおいしいものでも食べたら?ろくに食べてないんでしょ?」
少女なりの少年に対する気遣いだが、どうしてこうも棘がある言い方になってしまうのだろう。いつも口に出したあと後悔する。
「いや、これはお前のだ。一応もらっとけ」
「そ…そう?ありがと…」
無理やり手に握らされた。少年の気持ちを汲み取ってここは素直に受け取っておくことにした。
そしてしばらく少女は少年との会話を楽しむ。今日もお別れの時間になった。
「じゃ、また明日ね!」
このままポケットに入れて持ち帰ると親にばれそうなので、少々はしたないとは思ったが、靴の中に入れて帰る。部屋まで持っていくことができた。その日少女はその10000メル硬貨を握り締めて寝ることになる。
少女が去ったあと、少年は一度商品を出しなおした。少女の店番で見込んでいた売り上げより少なかったので、店にとっておきの『強化の書』を出すことにした。滅多にドロップしない品で、その分高額で売れる。ちょっとした欲で気持ち相場より高い400000メルという値段で出したのだが、見事に売れた。
結局想定以上に儲けたため、今日はちょっとだけ豪華な夕飯にしようかな、と少年は考えた。お食事処のエビルアイの尻尾のチリソース和えなんてもうしばらく口にしていない。今日はそれにしよう。
そう思い、歩き出す。お食事処『海千山千』は市場を抜けた先にある。
市場を抜けていく少年の耳に入ってきた言葉があった。
「錬金術師ジェーン作の最新型のを入荷したよー、今までと比べて超小型!なんと値段はひとつ200000メル!!どうだ、誰か買わないかい!?」
そして翌日、少女はいつもの時間にいつものように少年のいる場所へと早歩きで向かう。
しかし、いつもの場所にいつものように露店は出ていなかった。だが、少年はいつもの場所に座ってはいた。
「…あんた何露店出さないでサボってるの!?さっさと出しなさいよー。じゃないとあんた路頭に迷うんじゃないの?」
少年は口を開く。
「ああ、お前を待ってた。昨日のメル持ってるか?出しておいてくれ」
「え…?ええ、持ってるわ」
もちろん持っていた。靴の中に隠してはいるが。
しかし昨日のメルのことを聞くのはどういうことだろう。やはり昨日のことで返してほしいのだろうか…
言われたら、返すつもりだった。
そして少年の次の言葉は。
「…じゃあ今から開店!目玉はあの錬金術師ジェーン作の通信機最新作!!今までと比べて超小型!値段は相場200000メルのところをなんと先着一名ひとつ限りで10000メル!!」
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最後の少年の発言の意味がちょっと不明でごめんなさいごめんなさい。
まぁでも…あえて解説はしません(何
ホントはこれもう一日分エピソードがあるんですけど、これ入れるとさらに長くなりすぎてせっかく読んでくださっている方を飽きさせそうだったので泣く泣くカット。
とにかくあほな内容でごめんなさいごめんなさい。もういっぺん死んどけって感じですね。
お目汚し本当に申し訳ないです。。。
ではまた次回っ(あれば