ねこまっしぐら!



「めいぷるのかたすみ」 第16話A ラピスサイド

はぐれちゃったので、少しの間二つに分けてお話が進みます。
こちらはラピスと紅玉サイドです。

ではどうぞー





―――――――――――――――――――――――

 ラピスは周りを見渡すが、どこにもキィとエルの姿は見えない。というか人が多すぎてよく見えないというのが事実だ。背の高い紅玉でさえあの2人を見つけられないようだから、ラピスにはとても無理なのだろう。

 「うーん…どうしよう」
 腕を組んで考える。

 「まァ…はぐれたら宿って話をしたし、大丈夫じゃないか?」
 (キィの坊っちゃんを見失ったのはちょっとまずいかもしれないが)

 「そう…ですかねぇ」

 「そうだ…嬢ちゃん通信機持ってないのか?それで連絡ぐらいは取れるだろ」

 そう紅玉に質問され、しばらくありとあらゆる自分のポケットを探っていたラピスだが、
 「あ…かばんの中入れっぱなしでした…」
 と申し訳なさそうに返答した。

 思わず自分の髪をくしゃっと数回触る紅玉。
 「じゃあもうあとで宿に戻って待つしかないか。おれも登録するの忘れていたしなぁ…」

 ほんの少しの沈黙があった後、紅玉が口を開いた。

 「まァあれだ、せっかくペリオンに来たんだから露店は見て回って行こう。それに、もしかしたらあいつらはもう少し先に進んでいるかも知れんからな」

 「あ、そうですね!」

 「でも嬢ちゃん、ちゃんと手を握っててくれよ…。これ以上トラブルがあるのは御免だからな」
 そうやってラピスに手を差し伸べる紅玉。身長差が大分あるため、ラピスは手を伸ばさなければならなかった。

 父のハリーはどうだっただろうか。そうラピスは考える。こんなに身長は高くなかったはずだ。握ってくれた紅玉の手は大きい。父の手はもう少し小さかっただろうか。ラピスが大きくなるにつれてそういうことがなくなっていったから、もう思い出すことも困難だ。

 (パパと今度会ったら手を繋ごうっと!)
 しかしその思考は、数十秒後に周りの露店を詳しく見ていくにつれて心のどこかへ行ってしまった。

 見たことのない色々な道具がたくさん置かれている。「ちぃず工房」やら「ちきんらーめん」など、露店の名前を見て回るだけでも十分楽しめる。それらは好奇心旺盛なラピスの心を奪っていく。紅玉は陳列されている道具を次から次へといじくりまわそうとするラピスを止めるのに大変だった。隙を見せたら何か手に取っている。

 (胡桃も大きくなったらこうなんのか…)
 できるだけ娘はおしとやかに育てよう、そう思う紅玉であった。


 少し落ち着いてきたのか、目を奪われながらも普通に手を繋いで歩くラピス。そしてかなり疲れている様子の紅玉。やはり親子連れに見えなくもない。

 「それにしても、なんだかつよそーな人がそこらじゅうに立ってますね」
 ラピスの言ったとおり、屈強そうな男たちが制服のようなものを着てそこかしこに立っている。

 「ああ、これは…。市場に露店を出す時には『露店許可証』が必要でな、それ持ってないと出せないんだよ…というか出したらそこの奴らに連れていかれる。許可証も安くないからなー、まァ払っただけの保障みたいなものはついてくるってわけだ。万引きとかもほぼ無いしな。他にも色々あるわけだが…置いておこう」

 「ふーん…つまりずるしちゃいけないってことなんですね」

 「かいつまんで言うとそういうことだな」
 短くまとめたラピスに少々感心しつつ、ふたりは露店を見て回る。



 半分ほど見回ったであろうか。
 (少し腹も減ったし…そこらの露店に何か食べ物が売っていたら買うか…。タウロマシスの角酒に…あとネペンシスの種豆腐がそろって…いやー、たまんねぇなー!)
 という中年的な思考を紅玉が繰り広げていた時、彼の目の前に見たことがあるような人影が現れた。

 その人物は、紅玉と同じように黒いコートに身を包んでいた。青く、少し長い髪で相当な大剣を背中に背負い、そして何より目立つところは、頭に海老らしき甲殻類が乗っていることである。

 やはり、その人物を紅玉は知っていた。一部分を除いてだが、間違いない。

 「ん…お前…!!ウィスじゃねぇか!?ウィス=ヘーリアだろ?久々だなーおい」
 また気になるものがあったらしいラピスを半ば無理やり引っ張りながらその人物の元へと駆け寄る。

 「…む。…紅玉か。久しいな」
 ウィスと呼ばれたその人物は、久しぶりであろう再開なのにも関わらず平然としている。

 「相変わらずだな…ってあれ?嫁のエビータは?まさか逃げられたんじゃ…」

 「…いや、ここだ」
 ウィスは自分の頭を指す。その先には甲殻類が乗っている。つぶらな瞳は紅玉を凝視しているように見えた。

 「そりゃまー…お前さんが冗談を言わない人間だっていうのはおれはわかっているけどな…。さすがにそれはないだろ」

 「…なら信じなくていい」

 「え…マジなのか!?」

 「…そう言っているだろう」
 頭に乗っている甲殻類…いや、本人が言うには妻のエビータを撫でるウィス。

 「どういう経緯でそうなったんだよ…信じられん」

 ここでラピスがエビータに触れようとするも、手が届かないので無理だった。が、エビータはウィスの頭から器用に降り、ラピスの足元にちょこんと座る。ラピスはそれを拾い上げる。甲殻類の姿形をしているが、甲殻類独特の匂いは無かった。

 「俺はトレジャーハンターだ…」

 「ああ。まだ続けていたんだな」

 「まあつまりそういうことだ」

 「いやはしょりすぎだろ」

―――――――――――――――――――――――

ということでもうすこーし二手に分かれたお話は続きます。
一回で終わらせようとすると校長先生のありがたいお話に匹敵するほどの長さになるのでやめておきました。

感想は…はぐれちゃう前のにか、もしくは気に入ったサイドのにしていただけるとうれしいです。
というか感想もらえる前提になってますね調子乗ってごめんなさいごめんなさい。
いや1件もないということもありえる。それはわかってます(反省

ちなみにウィスは友人がモデルになったキャラです。了解を得られてよかったわぁ。


ではまた次回っ
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by nekoishi | 2006-04-25 16:31 | めいぽしょうせつ | Comments(2)
Commented by ティス at 2006-05-12 01:00 x
疲れる紅玉、まさに日曜日なのに家族サービスしたは良いけど途中でへばってベンチでぐったりの図ですねウニー(゚д゚)
「つまりずるしちゃいけないってこと」
世の中の心理をわかっていらっしゃる・・・悪事はいずればれるのです。
しかし海老だけにエビータ・・・○-_-)=○)゚o゚)☆
きっとおいしいダシがとれるんだろうな!
最後の問答がなかなか面白かったです。
なんて言うか・・・
「かくかくしかじかの事情で・・・・」
「いや、かくかくしかじかじゃわからないよ」
みたいな感じで。
なんて言うかキャラの性格がわかりますよね~。
ウィスさん。
今後の展開が楽しみです^^
P,S
長い小説を読むのは好きですが、校長の長話は大ッ嫌いです。
Commented by nekoishi at 2006-05-12 09:19
こちらにもコメントありがとうですー

普通のお父さんになっちゃうぞ紅玉!という感じが拭い去れません。
もうすでに帰りたいと思ったみたいですけどね。まぁ旧友と会ったのでそういうことも忘れました。

あとずるしちゃいけないとおもいますぅ!!

そうそう、よく気が付きましたねー。エビータ、なんですよ。笑
元となったのはロブっちですから、何かそれっぽいのをとね。海老とかいるよねーとか考えていたら「あ、エビータって名前あるんじゃん!?」ともうすでに3ヶ月ぐらい前から暖めてました。
暖めてたんでうまー

ウィスはああいうキャラということで勘弁してつかぁさい。

じゃあ校長の長い小説はどうなるんですかねー。意地悪ですねごめんなさい。

コメントありがとうでしたっ♪
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